耐震偽造問題で揺れているマンション問題。
現在好調なマンション市場に影を落とす結果となり、業界は信頼回復に躍起になっている。
震度5強の地震で倒壊する可能性があるといわれると、不安は隠せない。
日本では年平均、震度5強以上の地震は6回も起こっている。
今年だけでも、福岡県西方沖、宮城県沖、千葉県北西部などで大きな地震があった。

「一級建築士」という国家資格の重要性。この資格を持っていれば、国内でのあらゆる建築物を手掛けることができる。一級建築士だからと建築の設計をしているとは限らない。大きく分けると、意匠設計・設備設計・構造設計・工事監理・調査鑑定など幅広い分野がある。どれを専門にするかは、自由に選べるが、実際に仕事ととして成り立たせるには、実績に応じて、おのずと決まってくる。
今回問題となった構造設計を専門としている建築士は、その中でも非常に少なく、全体の5%程度にすぎない。責任重大な業務であるにもかかわらず、報酬が少ないのが実態である。

○○建築設計事務所という看板をあげていても、設計を外注に出したり、構造設計のみ外注に出すというケースも珍しくはない。
本来、施主(オーナー)が建築士に設計を依頼、仕上がった設計図書を元に工事業者を、見積金額や施工実績などを参考に比較選別し、請負契約を結び、設計した建築士が工事監理を行なうのが理想である。建築士と工事業者の関係は、利害関係が無い方が望ましい。
しかし、施主から直接工事業者が設計施工を請負い、建築士に設計を外注するといった構図が多いのが実状である。そのため、下請けである建築士が、施工ミスや不良を指摘しにくく、工事業者よりの甘い監理になってしまう。中には、工事監理を全くしない場合もある。今回の構造設計士の場合は、その建築士のさらに下請けというのが実態。

今回の問題も、こうした構図が生み出した問題ともいえる。
今後、建築士も更新制度を導入し、専門分野別に特化することも検討されるらしい。
また、建築基準法や建築士法の罰則規定も強化される可能性もある。小泉首相も、「建築基準法の罰則規定が軽すぎる」と罰則強化の考えを示している。
当然、悪質な建築物を手掛けた関係者は罰せられるべきだが、その賠償責任も負わせなければならない。
次回は、その賠償責任について説明したいと思います。