ここ数ヶ月、連日のように相次ぐ一酸化炭素(CO)中毒死事故の記事が新聞のトップにあげられています。
読売新聞によると、21年間で199人がCO中毒死していたことが、日本ガス石油機器工業会が公表したということです。火災や重症事故も約1500件近くもあり、事故原因は、換気不十分など誤使用や施工不良に起因するものが半数以上あり、製品に原因があるとされたものは約200件。湯沸かし器が最も多く、メーカーやガス事業者などから報告されているものだけで、これだけの被害実態が明らかになったのですが、これら以外のケースも多数あると見られています。

2月22日付けの新聞記事でも、松下電器産業製の小型湯沸かし器でも、1986年以降48人がCO中毒死していたことが判明しました。

室内に設置する小型湯沸かし器は、室内の酸素を取り入れてガスを燃焼し、室内に排気ガスも排出するので、換気が必要不可欠です。換気を怠ると、酸素が不足し、不完全燃焼を起こし、いわゆる一酸化炭素(CO)を排出するのです。室内基準としては、10ppm(ppmは百万分の一)以下とされており、無色無臭で毒性が強く、ごく微量で意識を失い、死に至るのです。

業界やメーカーは「換気は必要不可欠」、使用者は「少々換気はしなくても大丈夫だろう」といった意識のズレが大きいのが問題です。近年の商品には、不完全燃焼防止装置がついていますが、旧式には付いていなかったり、誤作動が多いために、業者が勝手に外したりしていて、このような事故が発生しているのです。今一度、屋内型の湯沸かし器を使用されている方は、新しい商品に買い替えるか、屋外型に取り替えることをお勧めします。また、メーカーや品番が分かる方は、メーカーやガス会社へ問い合わせて見てください。